子宿りのはり

不妊鍼灸子宿りのはり

不妊鍼灸「子宿りのはり」

 子宿りのはりは東洋医学の「陰陽論」と月経周期のホルモン周期とを中西融合した理論です。月経がはじまると女性ホルモンはエストロゲン支配となり、排卵を境にプロゲステロン支配になります。また陰陽論では陰の気が極限まで高まると陽に変化し、また陽の気が極まると陰に変化します。陰は涼と陽には温の性質があるので、月経周期前半の基礎体温が低温の時期に陰、後半の高温の時期に陽をあてはめることができるのです。

 この中西融合理論に基づく施術によって、からだにとって無理のないかつ妊娠・出産というゴールまでできるだけ最短にたどり着こうとする方法です。もちろん病院の治療にあわせていくこともできます。

五臓の腎と女性ホルモン

 東洋医学では人間のからだの中には五つの臓があり、それぞれが生きていくのに必要な生理機能をもつという役割があると考えられています。この五つの中に腎というものがあり、生命活動の源となるものを大切に保管していてまたそれを利用して生命を維持するという働きがあります。

 腎には水(腎陰)と火(腎陽)の相対する2つの性質があります。この水と火の性質が生命の誕生に大きく関わるのです。土にまかれた作物の種はそのままでは発芽することはできません。水を上げて日光によく当たることで発芽することはおわかりだと思います。人間の誕生も同じで腎の水(腎陰)をまいて火(腎陽)の温かさをあてれば新しい生命が芽吹くのです。

 女性の月経周期はまず月経開始してエストロゲン支配になり卵巣と子宮が活性化して、卵胞を成熟させ子宮内膜を増殖させ精子をむかえ入れる頸管粘液(おりものの)を分泌します。そして排卵と受精を境に今度はプロゲステロン支配になり、子宮を温めて内膜をふかふかの子宮ミルクで潤った状態にし、受精卵をむかえ入れるまるでゆりかごのような状態にします。

 この中西2つの理論を合せると、月経周期前半の低温の時期には腎陰とエストロゲン、後半の高温の時期には腎陽とプロゲステロンが合致するようになります。

 以上のことから腎陰はおもに月経周期の前半で卵胞の成熟と子宮内膜の増殖とおりものの分泌、腎陽は体温の維持と子宮内膜からの分泌液の促進という働きに関与していると考えられます。

繊細な施術「子宿りのはり」

 女性の月経周期はさらに細かく月経期、卵胞期、排卵期と黄体期に分けることができます。子宿りのはりはこの4つのステージのときからだの中で何が起きているのか、どうしたら新しい命が宿るのかと考えながら施術を組み立てます。
子宿りはり基礎体温

月経期

 前周期で妊娠が成立しなかった子宮の古い血液と内膜を体外に排出させてリセットします。同時に卵巣の刺激がはじまりまだ小さな卵胞が排卵に向けて成熟をはじめます。
 この時期の施術はからだに備わっている血液を推し流す力を使って、古い血液と内膜を排出させるよう促します。腎陰を補うツボも使って、卵胞成熟を少しだけ促します。

卵胞期

 卵胞の成熟とともにエストロゲンが分泌され、月経によって剥がれた子宮内膜が再生増殖をはじめ排卵に近づくにつれておりものが少しずつ出てきます。
 施術は子宮と卵巣が血液を要求するため、からだに血液を製造するように促すツボを使います。ツボに鍼を打てば血液が増えるのではなく、からだに備わっている血液を作る能力を利用するのです。腎陰を補うツボもしっかり使います。
 卵胞期はエストロゲン優位になるので女子力が上がってくるはずです。ショッピングや仕事など精力的に活動してもちょっとやそっとじゃへこたれないくらいですが、妊娠をめざしているあなたは少しセーブしてその分卵子を育てる力の方へ回すよう心がけてください。

排卵期

 排卵直前になるとおりものの分泌がMaxになり、精子を受け入れる態勢になります。そしてLHサージがおきて排卵が起こります。排卵痛を感じることができるかもしれません。
 施術はこれもからだに備わっている卵巣から卵子を推しだす力を利用して排卵を促します。卵子のピックアップも同様で、からだ本来の卵管采と卵管が動いて卵子を無事捕まえてくれる力を出してくれるようなツボを使います。
 排卵の仕組みを東洋医学的に解釈すると、からだの中には物を動かしたり転がしたりする力が存在するという概念によってそれによって排卵が起こると考えられます。もしすぐに排卵の直前にタイミングや人工授精を受けることができたら軽いウォーキングやストレッチをしてみるのも手だと思います。排卵をさせる力を促せることができるかもしれません。

黄体期

 受精が成立すると卵管の中で分割が進み5~7日後に子宮にやってきます。その間に排卵後の卵胞の殻からプロゲステロンが分泌され、体温を上昇させ子宮内膜の表面を子宮ミルクでいっぱいに潤わせて受精卵を待ちます。着床と同時に胎盤が作られはじめhcgが上昇し妊娠が成立します。
 からだが血液を作って子宮の方へ流させる力を利用するツボを使って、着床の態勢を整えます。それと腎陽の働きを補う施術をします。体温の維持と子宮ミルクを分泌させて子宮全体をふかふかのゆりかごのようにします。

まとめ

  • 「子宿りのはり」は陰陽論と女性ホルモン周期の中西融合した理論による施術法である。
  • それゆえからだに無理なく妊娠にたどりつくことができる。
  • 月経期・卵胞期・排卵期と黄体期にあわせてツボの選択と施術の組み立てを変える。

追伸

 説明の中で「からだに備わっている血液を流す力、血液を作る、卵子を推しだす力」というのが出てきます。人間のからだの中には推したり動かしたりする力・温める力・守る力・固定したり引っ付けたりする力・ものを変化させる力という五つの力が備わっています。血液を流したり養ったり、卵巣から排卵させたりピックアップしたり、子宮内膜に着床したりするのはすべてこれら六つの力によるものなのです。鍼灸とはツボを介してこの五つの力を利用した施術法なのです。ですからすべてあなた自身に備わっている力を引き出してあげているとても自然な施術法だといえます。

これはぜひやってほしい

 子宿りのはり・きゆうだけでは力不足なので、自分でできることを加えてください。

  • 1日30分のウォーキング(犬の散歩や買い物ついでではまったく効果なし)
  • 室内で踏み台昇降運動(徐々に時間を延ばして1日20分くらい)
  • 旬の食材をしっかり摂る(お腹に新しい命を宿すのだから生命力に満ち溢れているもの)

神奈川県藤沢市の「不妊鍼灸」はり・きゅう院Saras湘南は藤沢駅南口徒歩2分です。
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