ご相談を受けた際、よく出てくる不妊治療でのお悩みです。
- タイミングや人工授精で妊娠できないのはなぜか?
- 加齢による卵巣機能低下だたと良質な卵子を得ることはできないのか?
- 体外受精で移植しても着床できないわけは?
など,さまざまな疑問が上げられます。
具体的なお悩みになると
- 月経のお悩み
- 月経周期のお悩み
- 排卵期のお悩み
- 卵巣機能のお悩み
- 子宮環境のお悩み
の5つをよく伺えます。
自然妊娠・タイミング・人工授精
月経のお悩み
子宮はその周期で妊娠が成立しないと溜まった古い血液とともに内膜を溶かしはがします。これが月経です。ですから月経は痛みがあるのがふつう,出血があってあたり前です。
月経痛も経血も少ない,いわゆる月経が軽いという方
前周期の子宮内膜が薄かったか,子宮に集まる血液量が少なかったかが考えられます。
- クロミッドなどで連続して排卵誘発していた
- 卵胞の成熟が悪くてエストロゲン分泌が少なかった
- 子宮や卵巣など骨盤内血流が悪い
対策:
- 排卵誘発剤を使用しているときは必ず月経の様子をDr.に伝えること
- 月経開始~排卵までの周期の前半はできるだけ養生しからだ作りをすること
- 鍼灸などで血流を改善したり,例えば血液をドロドロにする食生活などを見直す
クロミッドなどで卵巣刺激を続けていると子宮内膜が薄くなることがあります。排卵時のおりものの様子や月経にいつもと違う変化があったら,受診のとき必ずDr.にお話ししましょう。
月経周期のお悩み
通常月経周期は28日±7日がふつうといわれます。だいたい25~33日くらいでしょうか。
月経周期がばらつく,どちらかというと長い傾向にある
- 子宮への血流が悪くて,子宮に血液がゆっくり溜まる
- 基礎体温を測ると低温期が長い,高温期が低くゆるやか
- 基礎体温がはじめからガタガタしている
対策:
- 鍼灸などで骨盤内血流の改善を図る
- 低温期でのからだの養生をしっかりやる
- ストレスが溜まるようなら上手に解消する工夫をする
通常高温期は12~14日と決まっているので,月経周期が長くなるということは低温期の長さと関係してきます。低温期が長いとなると卵胞の成熟がふつうよりゆっくりということになります。
過剰なストレスやダイエットなどの体重減は自律神経の働きに影響し,基礎体温を乱したり無排卵の状態になってしまうことがあります。
病院のDr.の治療方針によって排卵誘発剤を使って排卵時期を調整したり,ピルなどで次の周期のために来経時期をコントロールすることもあります。
排卵期のお悩み
卵胞の成熟とともに分泌されるエストロゲンが200以上の値を2日間連続すると,黄体化ホルモン(LH)が大量分泌され排卵がおこります。LHサージという現象で排卵検査薬はこれを測定し36時間以内に排卵するとされています。
排卵する様子がわからない
- おりもの(頸管粘液)が少ない
- 基礎体温の高温期への上昇がゆるやかで排卵日が掴めない
- 排卵痛など排卵時のからだに感じる変化がわからない
対策:
- 低温期でからだをしっかり養生させる
- 排卵検査薬を購入して調べてみる
- 基礎体温表の記入しておく
排卵が近づくにつれておりもの(頸管粘液)が増えてくるので、Maxになったときにタイミングを合わせるともっとも妊娠しやすいとされています。
頸管粘液は卵胞の成熟過程で放出されるエストロゲンによるものなので,月経開始~排卵期の養生が大事になります。おりものの変化は意識していないとなかなか気づかないので,下着にくっついていたり指にとったりして観察しましょう。
病院のエコー検査で卵胞チェックをされている方も排卵検査薬でご自身で調べてみるのもよいと思います。高温期は12~14日なので月経周期が安定している方は逆算して,排卵予測日の少し前から反応が出て消えるまで測ってみます。
基礎体温表はただ体温を記入するものではなく,治療の記録や体調の変化も記入してください。排卵痛は下腹部痛だけでなく,腰痛や頭痛といった状態で現れることもあります。
体外受精
卵巣のお悩み
体外受精はまず妊娠可能な移植胚を手に入れなければなりません。そのためには排卵誘発剤で卵巣刺激して複数の卵子を採卵する必要があります。
空胞や未成熟卵
卵子は通常卵胞の内壁にくっついていて,成熟すると内壁から剥がれて卵胞の中に漂っている状態になります。そこに針をさして採卵します。
- 成熟しきれず内壁にへばりついたままで採卵できなかった
- 卵胞の成熟過程で早期に卵子が変性してしまい消えてしまった
- もともと卵子が入っていなかった
空胞や未成熟卵になる原因として
- 卵巣刺激方法があわない
- 前の周期の残卵があり発育(遺残卵胞)の妨げになっている
- LHサージの代わりにするHCG注射や点鼻薬のタイミングがあわなかった
対策:
- セカンドオピニオンを受ける
何度か採卵して結果がともなわなかった場合,思い切って他の病院で相談をするのも一つの手です。別の誘発方法や採卵方法を提案してもらえるかもしれません。 - 少しお休みしてみる
卵巣も疲れてくればあなた自身も疲れ切ってしまわないように,少し間を空けてリフレッシュしてみることも必要です。当院へ施術にいらしていた方の中には旅行やパン教室へ通ったりして頭の中を空っぽにしていたりしていました。
卵子の質,老化
卵巣の中の原始卵胞は女児として誕生した時点でおよそ200万個、思春期に達した時点で5~10万個まで減少します。誕生してから新たに作られることはありません。
- 加齢により卵巣内の原始卵胞が劣化してしまっている
- 原始卵胞の劣化により質の良い卵子が育ってこない
- 加齢による卵巣機能の低下や早発閉経によって卵子が育ちにくい
20歳のころの原始卵胞と40歳のころのものでは20年の時間が過ぎてしまっています。当然原始卵胞の質の劣化はじゅうぶん予想されるのですが…
そのすべてが劣化しているとは限りません。その中に必ず状態のすごく良いものがいるはずなのです。
当院にいらしていた方で最高齢は48歳、妊娠されて無事出産されたのは45歳の方です。
対策:
- 焦らずコツコツ採卵していく,必ず状態のよい卵子のもと(原始卵胞)があるはず
- 質の良い卵子を得るためにはどうすればよいか考えて食事や運動など生活習慣から見直す
- すべて卵巣のため…と考えず,鍼灸施術などでからだ全体のメンテナンスをしておく
子宮のお悩み
子宮は卵巣と違って加齢の影響を受けにくい臓器です。月経によって剥がれた子宮内膜は卵胞の成熟とともに分泌されるエストロゲンによって再生肥厚します。高温期ではプロゲステロンの作用で維持されます。
体外受精移植周期
- 子宮内膜が厚くならない
- 移植しても着床してくれない
- 器質性の病気がある
大事な移植胚を無駄にしないためにも子宮内膜の調整はとても重要です。
対策:
- 月経開始~低温期にからだの養生をしっかりして卵巣機能を整える
子宮内膜はエストロゲンの影響を受けるので,卵胞の成熟と相関関係にあることはお分かり頂けたと思います。まずは低温期で卵巣を養ってエストロゲンをしっかり分泌させることです。 - 厚さ8ミリ以上をめざし,さらに子宮ミルクたっぷりの状態にしておく
以前いらした方が移植後の内診で「内膜が潤っているようだ」とDr.に言われたことがあります。骨盤内の血流をしっかり改善してふかふかの子宮内膜をつくりましょう。 - 移植前や移植直後など病院のスケジュールにあわせて鍼灸施術を受ける
ふだん忙しくてなかなか時間が取れない方でも,たとえば
- 移植の2~3日目に鍼灸を受けて骨盤内の血流改善をしておく
- 移植直後に施術を受けて子宮内膜に移植胚が少しでも着床する確率を高めておく
ということもできます。
まとめ
- 月経痛も経血もあるのがあたり前
- 月経周期は28日前後に安定しているのがベスト
- おりものや検査薬で排卵の様子をつかんでおく
- たとえ加齢の影響があっても卵巣の中に質の良い卵子のもとは必ずある
- 迷ったらセカンドオピニオンという手もある
- ときにはお休みして心とからだのリフレッシュも
不妊鍼灸のおすすめ
- 妊娠に向けた不妊専門の鍼灸を提供します
- 病院の治療スケジュールにあわせた施術です
- こころとからだのリフレッシュに必要なメンテナンスもします
- 不妊治療中の不安や疑問に無料カウンセリングも実施しています
- 誰でもできそうなちょっとしたヒントやアドバイスを提供します
神奈川県藤沢市の「不妊鍼灸」はり・きゅう院Saras湘南は藤沢駅南口徒歩2分です。
追伸 ぜひ取りいれてほしいこと
病院に通うだけでなく、ぜひご自身でもはじめてみましょう。
- 1日30分のウォーキング(犬の散歩や買い物ついでではまったく効果なし)
- 室内で踏み台昇降運動(徐々に時間を増やして1日20分くらい)
- 旬の食材を積極的に摂る(お腹に新しい命を宿すので生命力に満ち溢れたものを)
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